部の歴史

Since 1965 — 60th Anniversary

東大B&W部
60年の歩み

東京大学運動会ボディビル&ウェイトリフティング部(B&W部)は2025年、創部60周年を迎えました。駒場キャンパスのトレーニング体育館(トレ体)でバーベルを手に汗を流した仲間は、500人以上にのぼります。鍛えた、遊んだ、デカくなった——その積み重ねの60年を振り返ります。

History

年表でたどる60年

1965
前身のボディビル&ウェイトリフティングサークル結成(10月)
1966
第1回戸田合宿/学友会への部加盟が承認される
1969
運動会の直轄部に承認される/OB会(現OB・OG会)誕生
1970
関東学生パワーリフティング選手権で初の団体優勝
1974
キャンディーズが部のマスコットガールに
1975
山中合宿を定例化/石井直方が「赤門のヘラクレス」と呼ばれる/正式部に昇格
1976
🏅石井直方、B&W部初の全日本学生ボディビルチャンピオンに
1977
初の女子部員誕生
1978
和田朋之、B&W部初の学連理事長に
1981
五月祭にミスター東大創設
1984
🏅江口武久、石井直方以来2人目の全日本学生ボディビルチャンピオンに
1985
🏅二川憲昭、全日本学生パワーリフティングで学生新記録を樹立
1990
🏅全日本学生パワーと全日本ボディビルで優勝の山本博省が東大総長から奨励賞
1991
住友謙一、ミスター東大で初の2連覇
1997
🏅楊楽陽、山本以来7年ぶりの全日本学生ボディビルチャンピオンに
2000
新入部員ゼロに
2001
🏅加藤健児、現役部員として初の世界ジュニアパワー出場
2005
🏅佐々木卓、関東学生ボディビル個人4連覇(2005〜08年)。全日本でも連覇し月刊ボディビル誌の表紙に
2010
ミスター東大が「真・ミスター東大」として復活
2015
創部50周年記念式典・50年史刊行
2019
🏅久恒歩が世界クラシックパワー59kg級で一般男子世界3位・一般日本記録を樹立
2020
新トレーニング体育館(駒場第2体育館)竣工
2022
松村実紗、初の女性主将に
2024
石井直方、胆管がんのため69歳で死去(8月20日)
2025
創部60周年記念式典

Honors

歴代の主な栄冠・記録

全日本学生ボディビル選手権 覇者

5人の全国王者

半世紀で5名の全日本学生ボディビルチャンピオンを輩出してきた。石井直方(1976)、江口武久(1984)、山本博省(1990)、楊楽陽(1997)、佐々木卓(2005・06)。いずれも全国の頂点に立った、部の象徴である。

パワーリフティング

団体と個人の記録

1970年、関東学生パワーリフティングで創部以来初の団体優勝。1990年には山本博省が全日本学生パワーと全日本学生ボディビルの二冠を制し、東大総長から奨励賞を授与された。二川憲昭・堤太郎・河合章博らが学生日本新記録を樹立している。

団体の連覇

黄金時代を支えた連勝

ボディビルでは1981年秋から87年春にかけて、関東学生・東日本学生の両選手権で団体優勝12連覇。2000年代にも関東学生ボディビルで団体5連覇(2004〜08)を達成し、東大運動会でも確固たる地位を築いた。

Interview

B&Wの教え、守り続ける

OB

ゴー・ハップジンさん

1953年シンガポール生まれ。東大工学部卒。ウットラム・ホールディングス代表、日本ペイントホールディングス取締役会長。2019年からB&W部基金を含む東京大学基金に毎年寄付し、東大基金の財政を大きく支えている。

私がB&W部に入部したのは1972年。当時はウェイトリフティングにひかれていました。長くは続かないだろう、1年か2年くらいだろうと思っていました。しかし半世紀が経った今でも、ほぼ毎日トレーニングし、同年代のほとんどの人よりも強くなっていると感じています。B&Wは間違いなく私の人生の大切な一部となり、感謝しています。72歳になった今も、筋力を維持するためのトレーニングを続けています。B&Wに感謝します!

It was 1972 and 53 years ago that I walked into TORETAI and signed up for B&W, being attracted to the ‘W’ part of the Club. I didn’t think it’d last very long, perhaps a year, maybe two. But half a century later here I am still at it almost everyday and feeling stronger than most of my age group. B&W definitely has become an important part of my life and I’m grateful. At 72, I’m still keeping an exercise regime that maintains my muscular strength. Thank you B&W!

Voices

OB・部長が語るB&W

筋トレは常識、隔世の感

OB・OG会長 矢折誠(1976年卒)

私が学生だった頃、筋トレは野球のピッチャーがするものとして軽視されることもありました。それが今では、健康寿命を延ばす上での重要性も見直され、一般の老若男女にとって当たり前のトレーニングとして広がっています。隔世の感があります。

筋肉という価値観の共有

部長 三田吉郎(1993年卒)

「東京大学」という大学に集う学生・教職員は、毎年移り変わっていきます。その実体は移りゆく人の集合体であり、変わらずに形作るのは「筋肉」という価値観です。B&W部は、その価値観を共有する仲間の集まりです。

The Hard Years

部員減、冬の時代を乗り越え

2000年にはついに新入部員がゼロになりました。しかし翌年以降、新歓に力を入れて部員を獲得。学生の運動部離れが進む時代にあって、2005〜08年には部員数が再び増え始め、次の黄金期を迎えます。

戦績面では、2000年代後半から2010年代にかけて、関東学生(春)・全日本学生(春)・東日本学生(秋)の各選手権で団体連覇を達成。ボディビル部門でも関東団体5連覇を飾るなど、東大運動会でも確固たる地位を築いてきました。2019年には久恒歩が世界クラシックパワー59kg級で一般男子世界3位に入り、一般日本記録を樹立しています。

In Memoriam

追悼 — 部を支えた二人

第5代部長

石井直方 元部長

東京大学名誉教授(筋生理学)/2024年8月20日逝去・69歳

「赤門のヘラクレス」と呼ばれた筋肉研究の第一人者。1973年にB&W部へ入部すると、同年秋の関東学生ボディビル新人戦でいきなり優勝。学生時代から輝かしい成績を残し、全日本学生ボディビルチャンピオンにも輝きました。「スロートレーニング」「マッスルメモリー」など筋トレ理論の開発でも広く知られ、B&Wの象徴であり続けました。

創設者

咲本佑一さん

B&W部創設者/2024年8月7日逝去・82歳

1965年10月、トレーニング体育館でバーベルを使っていた学生時代の仲間たちとボディビル&ウェイトリフティングサークルを結成し、第2代主将を務めました。「B&Wの名は神が定めたもので不滅」という言葉を遺されています。

「最も東大らしい部」

石井直方(1977年卒・第5代部長)/50周年記念誌への寄稿より

ボディビルやパワーリフティングはむしろ “the most intelligent sports” ではないか。より高度な身体表象のために筋肉を100グラム増やし、皮下脂肪を1mm減らす。今より2.5kg重いバーベルを挙げられるようにする。彼方にあるこれらの目標へ一歩ずつ近づくために、日々努力と工夫を重ねる——勉強と同じである。

バーベルが向上心を数値化する道具である限り、我がB&W部は「最も東大らしい部」であり、この歴史はさらに続くに違いない。

出典 — 東大B&W部 60周年記念新聞(2025年〈令和7年〉10月11日発行)
2025年度以前の活動記録 → 旧サイト(SeesaaWiki)